IBRDの資金調達

グリーンボンド

  • 気候変動は人類全体の共通の問題です。開発途上国の人々にとっては先進国の人々よりも一段と深刻な問題です。気温、降水パターンの変化、海水面の変動や天候による災害が増えると、農業や食料と飲料水の供給に深刻な影響を及ぼします。長年の努力によって、貧困、飢餓、病気等を克服した開発途上国の人々の生命や生活も気候変動によって再び危機にさらされています。

    この深刻な問題を食い止めるには、社会的側面を考慮しながら温暖化の「緩和策」(温室効果ガス発生の防止)と「適応策」(すでに起きている問題に順応)の両方に取り組むことが重要です。

    気候変動問題を解決する為には、これまでにない世界規模の対策が必要です。世界銀行は、加盟国である開発途上国の各ニーズに合った支援を続け、この世界的な課題に取り組んでいます。 世界銀行はまた、気候変動問題解決に向けた各国政府や専門機関とのパートナーシップ構築をおよび強化を図っています。

    2008年, 世界銀行は "開発と気候変動問題対応のフレームワーク" を発表しました。これは公的機関と民間機関との協力による気候変動問題への対処を一段と促すことを目標としています。世界銀行グリーンボンドは、このフレームワークをベースとした画期的な試みの一つです。

    グリーンボンドの資金は、温室効果ガスの排出削減及び温暖化による影響に対処する世界銀行の開発プロジェクトへの融資に活用されます。 グリーンボンドはSEB銀行(Skandinaviska Enskilda Banken)の協力で、気候変動問題に取り組むプロジェクトを支援するAAA債券に対する投資家の需要に応えるべく開発されました。

    2008, 年に初のグリーンボンドを発行して以来、世界銀行はこれまでに総額130億米ドル相当のグリーンボンドを135銘柄、20通貨で発行しています。

    世界銀行グリーンボンドは、高い信用力を持つ世銀債への投資機会を、気候変動問題解決にご関心の高い投資家の皆様に提供させて頂いております。

    • 信用力は、一般的な世銀債と全く同じ最上位AAAの格付を付与
    • 債券投資による金利収入を得ながら、温室効果ガス発生の抑制や温暖化による問題に対処するための世界銀行のプロジェクトを支援
  • I.  グリーンプロジェクト選定基準

    世界銀行グリーンボンドプログラムは、世界銀行の加盟国である開発途上国の温室効果ガス削減と貧困削減の両立を目指しています。

    このプログラムには、前述の気候変動に対する「緩和」と「適応」の二種類のプロジェクトがあり、世界銀行は厳密な安全基準を設け、人や環境に悪影響を与えないよう進捗を管理しています。

    グリーンボンドプログラム対象のプロジェクトは、世界銀行の環境専門家により「緩和」か「適応」のどちらかに選定されます。この際使用される選定基準は、第三者機関である「オスロ大学国際気候環境研究センター」(CICERO)によるチェック も受けています。同センターは「対象のプロジェクトは、世界銀行の厳格な管理体制のもと人々や環境に悪影響のない安全基準を満たしており、世界銀行が定めたグリーンボンドの選定基準は極めて適正としています。

    下図は、グリーンプロジェクトの選定基準をパスしたプロジェクトの事例です。これらのプロジェクトはグリーンボンドプログラム(以下、グリーンボンドプロジェクト)によって支えられています。

          気候変動を緩和するプロジェクトの事例:

    • 太陽光・風力発電設備
    • 温室効果ガスの排出量を大幅に削減する新技術への資金供与
    • 温室効果ガスの排出を削減する発電所や伝送設備の修繕
    • 燃料の切替や大量輸送など輸送効率の向上
    • 廃棄物管理(メタンガスの削減等)とエネルギー効率の高い建物の建設
    • 再森林化や森林破壊の防止による温室効果ガスの削減

          気候変動に適応するプロジェクトの事例:

    • 洪水に対する保護(再森林化や流域管理など)
    • 食料安全保障の改善とストレス耐性のある農業システムの導 入(森林破壊の進行を遅らせるもの)
    • 持続可能な森林管理と森林破壊の回避
       

    II. グリーンプロジェクトの絞込み

    世界銀行のグリーンプロジェクトは、世界銀行のその他のプロジェクトと同様に開発途上国の貧困削減と、人々の生活水準の向上を目指しています。グリーンプロジェクトは、中でも開発途上国に深刻な悪影響を及ぼしている地球温暖化問題に対処するプロジェクトです。

    グリーンプロジェクトはグリーン基準を満たしているか精査することに加え、世界銀行の他のプロジェクトと同様に厳格な審査と承認プロセスを経ます。最優先事項である当該国の貧困削減および経済発展に寄与するプロジェクトであるかが審査されます。 そのプロセスには、環境や人々に対する影響、方針の策定、 世界銀行が定める安全基準に沿って温暖化による悪影響を削減することが明確であるか等、案件実行前の評価も含まれます。世界銀行のすべてのプロジェクトは、各加盟国を代表する25名の理事で構成される理事会の承認を得て最終的に決定されます。

    世界銀行が実施するプロジェクトは6つのプロセスを経て実行されます。 (1.国別援助政策の策定、2.プロジェクト選定、3.準備・審査・理事会の承認、4.事業実施と監督、5.事業完了、6.事業評価) グリーンボンドプロジェクトは、世界銀行の他のプロジェクトと同様に案件実行前の適正評価や案件実行後のモニタリングなど行われますが、さらに3つのプロセスも実施されます。(1.対象プロジェクトの絞り込み、2.対象プロジェクトの資金を特別勘定内で割り当てと投資家への経過報告、3.プロジェクトの成果を評価)プロジェクト選定の早い段階で環境専門家が対象プロジェクトがグリーンプロジェクト選定基準を満たしているかどうか評価します。 世界銀行のプロジェクトサイクルについて詳しくはこちらをご覧ください。 http://www.worldbank.org/projectcycle

    グリーンプロジェクトのサイクルについて
    気候変動を「緩和」するプロジェクト、または気候変動に「適応」するためのプロジェクトであるかを審査するために、プロジェクト選定基準を設定しています。プロジェクトが承認されると、プロジェクト開始後数年間に亘り資金の貸出が行われます。 その資金は、グリーンボンドで調達した資金をプールしている特別勘定から四半期ごとに引き出されます。


    III.  対象プロジェクトの資金を特別勘定内で割当て

    グリーンボンドで調達された資金は特別勘定に集約され、グリーンボンド対象プロジェクトに割当てられるまでの間、流動性資産として世界銀行の厳格な方針のもと管理されます。対象プロジェクトへの資金の貸出は、世界銀行が定めた方針と手続きに従って実行されます。貸出は、各プロジェクトの成果が現れるまで何年にも渡って分割して行われます。実際に資金が貸出されると、グリーンボンド対象プロジェクトに支出された総額が、四半期毎に特別勘定から引き出されます。


    実施プロセス

    IV.  プロジェクトのモニタリングと評価

    世界銀行は、グリーンボンドプロジェクトを含むすべてのプロジェクトの経過を監督しています。 世界銀行の加盟国である開発途上国は、世界銀行とのローン契約に基づき、開発プロジェクトを実施します。

    世界銀行は、プロジェクト実施国政府からの途中経過評価を含む定期的な事業報告書を受取り、プロジェクトを監督しています。掲げた目標の達成状況ならびに最終的な効果の分析や評価用データを収集するために、プロジェクト実施国政府及び世界銀行はプロジェクト実施の段階からプロジェクトの経過、成果、影響などモニタリングを行っています。 世界銀行のプロジェクトについては世界銀行ウェブサイトでご紹介しており、プロジェクトの詳細や、プロジェクトの関連資料(案件評価等)などご覧いただけます。また、世界銀行グリーンボンドプロジェクトの概要及び成果については世界銀行グリーンボンドのウェブサイトで関連資料と共により詳細なプロジェクト情報をご紹介しています。グリーンボンドニュースレターでは注目のプロジェクトを取り上げています。


    V.  コンプライアンスの審査

    プロジェクト: グリーンボンドプログラム対象プロジェクトは、世界銀行が定める安全基準や実施方針、その他の手順を遵守し、プロジェクトの健全性を維持しています。

    コンプライアンス(法令遵守)の審査はプロジェクト個別に行われ、すべてのプロジェクトは四半期に一度、独立機関による評価も実施されています。世界銀行の環境、社会面、財務マネジメントの専門家によるプロジェクト毎の評価の実施やプロジェクトの調達要件を設定し、国やプロジェクト毎に適切な管理及び運営が正しく実行されているか確認しています。また、世界銀行のその他のプロジェクトと同様に、プロジェクトが当初の目的を達成しているのか、持続可能な成果が出ているのか、開発の影響等について世銀のプロジェクト完了報告書の評価ならびに約4分の1のプロジェクトの実績審査(現地調査等)など、世界銀行の独立評価グループ(IEG)による事後評価も実施されています。

    グリーンボンドプロセス: 世界銀行財務局は、特定のグリーンボンドプログラムの手続きに従い、対象プロジェクトの選定と報告、グリーンボンドで調達された資金をプールする特別勘定の維持とプロジェクトの成果報告のための最新情報を提供できるようにポートフォリオの管理を行っています。

     

  • 世界銀行のグリーンボンドの資金は、気候変動防止に寄与する開発支援のための一定の選定基準を満たし世界銀行の環境や地域の専門家により選定されたプロジェクト(グリーンプロジェクト)を支えています。世界銀行グリーンプロジェクトは世界銀行のその他のプロジェクトと同様に、途上国の貧困撲滅と経済成長を目指していますが、途上国に深刻な被害をもたらす気候変動の防止に焦点を当てて取組むプロジェクトです。

    世界銀行グリーンプロジェクト

    世界銀行が発行するインパクトレポートでは、グリーンボンドの資金が活用される適格プロジェクトについて公表しています。本レポートには、各プロジェクトの環境及び社会的影響を示すいくつかの成果指標も含まれています。これらの指標は、予想される成果と規模をさまざまな分野別や国別に分類して分かりやすく数値化しています。

    I. 再生エネルギーとエネルギー効率化

    中国 - エネルギー効率化プロジェクト(第一次): 中国の製造業のエネルギー消費量は中国全体の約5割を占めており、世界的に見ても高比率です。本プロジェクトでは、大・中規模の企業や産業全体に対しては、試験的な省エネ対策プログラムと持続可能なの事業融資を提供し、中国政府のエネルギーの効率化制度ならびにプログラム強化への支援も行っています

    中国 - 第二次エネルギー効率化プロジェクト: 第一次エネルギー効率化プロジェクトに基づき、中国の省エネ支援会社(ESCO)の拡大を支援するプロジェクトです。世銀が中国民生銀行に1億米ドルの貸出しを行い、同銀行が様々なエネルギーの効率化促進プロジェクトを対象に電力産業や省エネ支援会社(ESCO)に貸出しを行います。

    中国 - 上海におけるグリーンエネルギー促進プロジェクト: 急速な都市化により、今後20年の間に3億人もの人が中国都市部へ集中し、居住用建物でのエネルギー消費量は現在の3倍に膨れ上がり、二酸化炭素の排出量も大幅に増加すると予測されています。本プロジェクトは長寧区を中心としたグリーンエネルギー計画を促進し、上海の低炭素化開発を目指します。

    中国 -遼寧省での暖房設備の効率化と環境改善プロジェクト: 中国の北東に位置する遼寧省では、石炭を燃料とした効率の悪いボイラーや熱併給型発電プラントが主な暖房設備となっています。本プロジェクトでは発電や製鉄からの廃熱を利用した集中管理暖房システムの普及を支援し、エネルギー効率の高い大規模システムに入れ替えます。さらに、ガス輸送設備の再建やガス貯蔵設備の拡大を含む都市ガス設備の改善を目指します。

    中国 - ウルムチ市における暖房設備効率化プロジェクト: 中国の北西に位置する新疆ウイグル自治区ウルムチ市では、冬季の家庭用暖房が主因の大気汚染に苦しめられています。本プロジェクトは、ウルムチ市の自治体による230万人の住民の為の大気汚染改善の取り組みを支援するものです。主にウルムチ市の二つの市轄区と天山区の一部のエリアを対象に、効率が高く環境にやさしい暖房設備建設向けの貸出しを行います。 

    中国 - 山東省 エネルギー効率化プロジェクト:中国は2005年から2020年までの間に、GDP対比のCO2排出量を40-45%削減することを目標としています。本プロジェクトは、中国で二番目に大きい山東省で、バイオマス燃料を利用した熱電併給プラントの建設を支援します。 

    インド - 第四次電力供給システム改善プロジェクト: インドでは電力供給システムが脆弱なため潜在的な成長力が抑制されており、電力が供給されていない居住地区も数多く存在します。世界銀行のプロジェクトにより、送電設備を刷新することで送電ロスを削減し、環境への負荷を軽減することができました。具体的には水力発電の余剰電力を電力が不足する地域に融通することで石炭発電所の乱立を回避することができました。 

    ジャマイカ - 燃料確保とエネルギー省エネ拡大プロジェクト: ジャマイカは石油の輸入依存度が高く、燃料費も非常に高くなっています。また、今後5年間で燃料の需要増加と老朽化した発電設備の刷新により、新たに約500MWの発電設備が必要になると試算されています。本プロジェクトは、同国の各種電力供給源(エネルギーミックス)への再生可能エネルギーや天然ガスの活用促進、省エネ度の高い電気製品やエアコンの基準やラベル表示の策定などを支援しています。  

    メキシコ - 省エネ電球、電気製品普及プロジェクト: メキシコにおける温暖化ガス及び大気汚染物質の6割はエネルギー消費から発生しており、工業や交通、発電設備が最も多く燃料を消費しています。特に住宅での電力消費量は、現時点でもメキシコのGDP成長率よりも急ピッチで増加しており、今後エアコンや家電製品の普及は電気消費量の増加に拍車をかけることが明白です。こうした状況に対処すべく、本プロジェクトはメキシコ政府が行う住宅地における省エネ対策プログラムを支援しています。 

    モンテネグロ - 公共施設のエネルギー効率の改善: モンテネグロでは国全体の電力需要の1/3を輸入に依存しています。需要の急増、国営発電設備の老朽化に加え、エネルギー効率の悪い公共施設が電力事情の悪化に拍車をかけています。世界銀行は、エネルギーの効率的利用を促進するプロジェクトを実行し、新しい設備を導入することで、学校や病院などの公共施設でのエネルギー消費と居住性の改善を同時に実現しました。さらに、省エネ技術を積極的に提供し、新しい省エネ基準を国全体に導入しました。

    トルコ - 民間セクターの再生可能エネルギーとエネルギー効率化プロジェクト: トルコのエネルギー源の大部分は化石燃料です。電力需要の増加に伴い、高いコストと温暖化ガスの更なる排出という問題に直面しています。世界銀行の本プロジェクトによって、民間電力市場が主導する形で様々な再生可能エネルギー源からのエネルギー生産が増加することが期待されています。 

    トルコ - 中小企業の省エネ化プロジェクト: トルコの工業・建築産業は政府系機関の支援の下、年間1500万トン相当(年間消費電量全体の14%)のエネルギー削減という意欲的な目標を掲げており、官民挙げて温暖化問題に取り組んでいます。本プロジェクトは、同国民間銀行の省エネ分野への貸出しをバックアップし、トルコの中小企業でのエネルギー消費効率化を目指しています。 

    ウクライナ - 省エネルギー化プロジェクト: ウクライナ政府はエネルギー消費量を2015年までに20%、2023年までに50%削減することを目標にしています。本プロジェクトは、ウクライナの事業会社ならびに地方自治体が運営する事業団体や電力供給会社の省エネルギー対策に向けた貸出しを行うもので、約260万立方メートルのガスと400ギガワット相当のエネルギー削減が期待されています。 

    ウクライナ - 送電設備の向上とエネルギー部門の改革と開発プロジェクト: ウクライナでは新たに効率の良い発電設備を導入しましたが、送電施設の構造上の問題で一部の地域では需要増加時の電力供給が不安定となっています。そのため、バックアップ電源として二酸化炭素を排出するディーゼル動力が普及しています。本プロジェクトでは送電設備を改善して温暖化ガスの削減しつつ国営電力供給会社を支援し、総エネルギー消費量の10%減を目指します。さらに同社のEU域内での電力の売買の支援も行っています。  

    中国 - 北京での太陽光発電普及(サンシャインスクール) プロジェクト: 本プロジェクトは、中国の教育施設における太陽光発電を拡大するために再生可能エネルギー供給サービス会社を調査し、グリーン電力の消費を促進することを目的としています。通称「サンシャインスクール」は、約1,000の公立学校に100メガワットの太陽光発電設備を設置するプログラムで、公共部門においては最も大規模なものとなっています。 

    中国 - 上海におけるグリーンエネルギー促進プロジェクト: 急速な都市化により、今後20年の間に3億人もの人が中国都市部へ集中し、居住用建物でのエネルギー消費量は現在の3倍に膨れ上がり、二酸化炭素の排出量も大幅に増加すると予測されています。本プロジェクトは長寧区を中心としたグリーンエネルギー計画を促進し、上海の低炭素化開発を目指します。 

    中国 - 江西省 水路と水力発電施設プロジェクト: 急速な経済成長下にある中国では、政府は道路と陸上輸送の整備には積極的ですが水路輸送の整備は進んでおらず、大型船の導入等による効率的な水路の活用が必要とされています。かねてより中部地区の江西省では水路を利用した内陸輸送が発達しており、本プロジェクトでは、同地区における水路輸送の拡大、水力発電による温暖化ガス削減と470ギガワット相当の電力確保、4,400ヘクタールの農耕地の水害からの保護などを目標としてます。 

    インド - 第四次電力供給システム改善プロジェクト: インドでは電力供給システムが脆弱なため潜在的な成長力が抑制されており、電力が供給されていない居住地区も数多く存在します。世界銀行のプロジェクトにより、送電設備を刷新することで送電ロスを削減し、環境への負荷を軽減することができました。具体的には水力発電の余剰電力を電力が不足する地域に融通することで石炭発電所の乱立を回避することができました。 

    インド - ランプール水力発電プロジェクト: インドが年間排出する二酸化炭素は、世界の排出量の4%を占めており、2031年までには13%まで増加すると見られています。一方で、農村地域等においては電力インフラが未だ整っていません。本プロジェクトは、412メガワット規模の建設を支援し、インド北部の送電網へ水力発電による電力供給を実現し、インド政府が掲げる効率的で環境や社会にやさしい水力発電の構築と運営の向上を目指しています。 

    インドネシア - 地熱発電プロジェクト: インドネシアでは化石燃料を利用した発電が主流で、温暖化ガス削減のために地熱発電の強化を目指しています。本プロジェクトでは、地熱の発掘調査と蒸気処理設備、地熱発電所2ヶ所(出力合計150メガワット)の建設を支援しています。

    ジャマイカ - 燃料確保とエネルギー省エネ拡大プロジェクト: ジャマイカは石油の輸入依存度が高く、燃料費も非常に高くなっています。また、今後5年間で燃料の需要増加と老朽化した発電設備の刷新により、新たに約500MWの発電設備が必要になると試算されています。本プロジェクトは、同国の各種電力供給源(エネルギーミックス)への再生可能エネルギーや天然ガスの活用促進、省エネ度の高い電気製品やエアコンの基準やラベル表示の策定などを支援しています。 

    メキシコ - 電力供給サービスの一体化プロジェクト: このプロジェクトは、メキシコ南部の世帯数50から500人程度の小規模な居住地への電力供給を増やすことを目的としています。遠隔地に電力を提供すべく、安定した電力市場の開発に必要な規制及び技術的支援を行いながら、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの利用促進を支援しています。

    モロッコ - 集光型太陽光発電プロジェクト: モロッコの南ワルザザード地区は、太陽光発電に適した様々な条件が揃っており、EU内での環境負荷のほとんどない発電が実現可能と見られています。世界銀行は、いくつかの国際機関、政府機関、クリーンエネルギー基金と協力して、同地区での集光型太陽光発電システム導入の第一次貸出しを実行しました。世銀の貸出し金額は2億米ドルで、500メガワットのうちの160メガワットの発電設備が導入されました。

    ペルー - 第二次 農村地電力供給プロジェクト: ペルーでは都市部の91%の人々が電気を利用できるのに対し、農村部では僅か30%にとどまっており、農村地域における貧困の原因となっています。本プロジェクトでは、既存の配電網の拡充や遠隔地及び小規模太陽光発電設備の導入などにより、同地域への電力供給を支援しています。

    トルコ - 電力需要の増加に伴い、高いコストと温暖化ガスの更なる排出という問題に直面しているトルコでは、バイオマス、地熱、太陽光などのエネルギー源の活用は進んでいません。本プロジェクトは、民間電力市場が主導する形で様々な再生可能エネルギー源からのエネルギー生産が増加することを目的としています 

     

    II. 交通

    中国 - 西安都市交通プロジェクト: 中国の古都の一つである西安は歴史的にも文化的にも著名で、毎年多くの観光客が訪れています。しかし西安では都市化が急速に進み、深刻な大気汚染により人々の健康だけでなく、文化遺産までもが深刻な被害を受けています。本プロジェクトでは、自転車専用道路と歩道の利用者の増加、多機能な道路ネットワークの開発による渋滞緩和、バスなどの公共交通の活性化など、中国の交通セクターと共同で様々な温暖化ガス削減に取組み、人々の健康と文化遺産の保護を支援します。また、持続可能な都市交通制度及びプログラムの開発が続けられるよう人材育成するなどの支援も行っています。 

    中国 - 江西省 水路と水力発電施設プロジェクト: 急速な経済成長下にある中国では、政府は道路と陸上輸送の整備には積極的ですが、水路輸送の整備は進んでおらず、大型船の導入等による効率的な水路の活用が必要とされています。かねてより中部地区の江西省では水路を利用した内陸輸送が発達しており、本プロジェクトでは、同地区における水路輸送の拡大、水力発電による温暖化ガス削減と470ギガワット相当の電力確保、4,400ヘクタールの農耕地の水害からの保護などを目標としてます。

    中国 - 武漢市 第二次都市交通プロジェクト: 中国はエネルギー関連による温暖化ガス排出量が世界で最も多く、排出量は1990年から2009年にかけて3倍も増加しました。このため公共交通機関の整備が急務となっています。本プロジェクトでは、武漢市における公共交通機関の運営の向上と歩行者や自転車利用者のために信号機や歩道などが整備し、大気汚染の緩和と温暖化ガスの削減を目指します。 

    コロンビア - エネルギー効率の高い輸送システムの導入プロジェクト: コロンビアの人口の約75%は都市部に居住しており、その住民の大部分が公共交通機関を利用しています。しかし公共交通機関は、深刻な交通渋滞、事故や犯罪の高い発生率、身体に有害な空気、汚染物質の排出等の多くの都市問題の原因となっています。コロンビア政府と世界銀行は協力して、エネルギー効率が高く、安全でクリーンな新たな大量輸送公共交通システムを導入し、老朽化したバス・システムから生じていた温暖化ガスの排出が大幅に削減されました。 

    インド - 都市交通プロジェクト: インドは温室効果ガスの排出量が世界で3番目に多い国で、特に都市交通の急速な拡大がその要因となっています。この都市交通プロジェクトは、インド政府や地方自治体が自ら公共交通機関、自転車専用道路、歩道などの車を使わない都市交通の整備を強化し、運営していけるよう支援するもので、インドの6つの都市で試験的に行われています。 

    メキシコ- 公共交通機関の効率化プロジェクト: メキシコの公共交通機関が排出する温暖化ガスは、ラテンアメリカの中でも最も多く、同国全体の排出量の18% にも達します。世界銀行のプロジェクトにより、バス専用レーンなどのインフラが整備され、安全で燃費の良いバスの車両が新た導入されました。この取組みにより、温暖化ガスの排出が抑制され、公共交通機関のサービス水準も向上しました。

    III. 廃棄物管理

    ブラジル - ごみ処理改善とカーボンファイナンス促進プロジェクト:  2007年時点で、ブラジルの39%の都市しか適切なごみ処理の実行及びごみ処理施設を有していませんでした。本プロジェクトは、メタンガスの発生を抑えながらブラジルの地方自治体のごみ処理能力を向上させる事が目的です。プロジェクトでは、野外ゴミ捨て場の閉鎖と最新で衛生的な埋立地又はごみ処理設備の建設と運営、地方自治体によるごみ処理運営の強化、ごみを拾って生活する貧困層の削減、ごみ処理分野への民間企業の参入促進、カーボンファイナンスプロジェクト運営のための公的な実行機関であるCaixa Economica Federal(カイシャ・エコノミカ・フェデラル:ブラジル連邦貯蓄銀行)の能力向上、少なくとも3箇所の埋立地でのメタンガス回収などを支援します。

    ヨルダン - アンマンのごみ処理プロジェクト: アンマンでは、ごみ収集にかかる運搬のコストが非常に高いうえ、今後220万人の住民から排出されるゴミの量を勘案すると必ずしも適切な方法でゴミが処理されている訳ではありませんでした。世界銀行が実行したゴミ埋立処理プロジェクトにより、全国のゴミ埋立処理設備の処理能力が大幅に向上しました。 

    モロッコ - ごみ処理開発政策融資プログラム: 本プログラムは、モロッコ政府によるごみ処理セクターの明確な組織化及び政策策定や規制化、運営体制における重複やギャップを解消し、規制や制度を見直して、ごみ処理セクター改革を支援するものです。また、ごみ処理プログラムに対する財政や環境、社会の持続性向上を目指します。 

     

    IV. 農業・森林管理 

    中国  - 中国農村におけるエコプロジェクト: 中国では数百万もの世帯が、農業で生計を立てており、将来的に自然資源をより活用することが需要になっています。世界銀行の中国農村地区で実行したエコプロジェクトにより、畜産業での家畜排泄物を有効活用して住民が再生可能エネルギーを無償で使えるようになりました。

    V. 環境強化・その他

    メキシコ- 気候変動対策 開発支援プログラム: 水の供給が不安定で災害の多い国であるメキシコは、温暖化による被害が多いと言われています。一方、温暖化ガスの排出量が世界で12番目に多く、ラテンアメリカの中ではブラジルに続き2番目に多い国(2008年)でした。本プロジェクトは、メキシコ政府の気候変動対策プログラムを支援し、642,000ヘクタールの再森林化、カーボンファンド設立に向けた国内排出権市場の育成、5つの都市及び州に対する気候変動対策計画の調査、再生エネルギー開発とあらゆる産業セクターによる温暖化ガス削減対策などが含まれます。

    インパクトレポートの仕様の統一化に向けた取り組み

    インパクトレポートへの市場参加者の関心が高いことと、この分野における透明性並びに比較性の高さがグリーンボンド市場に有益であることを受けて、世界銀行は、アフリカ開発銀行・欧州投資銀行・国際金融公社と協力してグリーンボンドのインパクトレポートの仕様の統一化について議論をしました。

    初のインパクトレポートは、2015年に発表されました。各種インパクトレポートにつきましては本ウェブサイトよりダウンロード可能です。ダンロード可能な要約版インパクトレポートは他の発行体や投資家とのグリーンボンドに関する情報共有や話し合い、他のグリーンボンドの発行体自身のインパクトレポート作成のためにも活用できます。

     

  • 世界銀行は投資家のニーズを満たす金融商品を開発しています。気候変動の影響を懸念し、投資を通じた気候変動関連プロジェクトへの支援を支持する投資家は多く存在します。この気候変動問題の緊急性により、機関投資家および個人投資家がこの問題を意識した投資を拡大しています。

    世界銀行のグリーンボンドは、信用度の高い債券投資を通じて気候変動に対処する様々なプロジェクトをご支援いただける事が、投資家にとっての魅力です。グリーンボンドの信用度は、他の世界銀行の債券と同じトリプルAです。債券の償還金はプロジェクトの信用や実績とは関係がなく、投資家は個別のプロジェクトのリスクを負うことはありません。また、世界銀行の発行体格付けは最高格のAAA/Aaaで、その融資活動は厳格な審査と承認プロセスを経て実施されることから、安心してご投資頂くことができます。

    他の世界銀行の債券との大きな違いは、調達資金が気候変動問題解決に取り組む世界銀行のプロジェクトのみに活用される事です。世界銀行のグリーンボンドへのご投資は、外国債券お取り扱いの証券会社にてご確認いただけます。

    投資家の皆様の声

    「ますます重要性が増しているグリーンボンド市場において、 世界銀行はその基準並びに基盤となる様々な起債を先導してきました。適正な価格設定、高い流動性を実現する大型起債、発行代わり金の分別管理、対象プロジェクトの透明性、プロジェクトの成果の開示、そして第三者によるプロセス全体の精査。これら全てが投資家から高い評価を受けています。」
    チャド スピットラー グローバルチーフオペレーションオフィサー、コーポレートガバナンス&SRIチーム ブラックロック

    「グリーンボンドの購入は、カリフォルニア州の投資手段となっています。トリプルAの発行体への投資を追加するなど、投資の多様化は、我々のポートフォリオを強化します。また、気候変動と闘うために、カルフォルニア州は制度だけなく、資金面で支援する準備ができていると世界中に言えるでしょう。 」カルフォルニア州 財務局  ビル ロックヤー

    「個人以外では国内で初めてグリーンボンドに投資をすることは、地域や日本国内さらには世界に向けた環境問題への取り組みの、ささやかながらも力強い発信であり、一企業市民として自然に感謝する気持ちが伝わればうれしいと思います。」株式会社伊予銀行 資金証券部 原川浩一

    「投資による社会貢献を実現すべく、世界銀行のグリーンボンドを購入しました。グリーンプロジェクトは、社会に対する直接的な貢献度が高く、その成果も分かりやすいのが魅力です。グリーンボンドは、収益と社会貢献性という「二つのリターン」を目指す投資家にとって理想的な商品と言えるでしょう。もちろん、高い安全性と流動性も投資を決定する上で重要な要因です」ステファン M. リベラトール, CFA マネージングダイレクター、ポートフォリオマネージャー TIAA-CREF

    「世界銀行グリーンボンドは、画期的かつ完成度の高い債券です。投資リターンを受け取りながら、環境に配慮する我々の責任を示すことができるからです。我々は積極的にグリーンボンドを債券ポートフォリオに組み入れています。」マーク レジェーディレクター、スチュワードインベスティング エバランスプラクシス投資信託会社

    「世界銀行グリーンボンドの最初の投資家の一人であることを誇りに思うとともに、温暖化問題への取組みにおいて、我々の「持続可能な取組みのビジョン」を人々と共有し、急成長しているグリーンボンドのプログラムの一員であることを嬉しく思います。」 エヴァ ハルファーソン CEO、スウェーデン第二公的年金基金

    グリーンボンド 日本の主な投資家一覧:

    伊予銀行/山陰合同銀行/岩手銀行/紀陽銀行/香川銀行/愛知銀行/福井銀行/第四銀行/北洋銀行/南都銀行/大分銀行/武蔵野銀行/大垣共立銀行/早稲田大学/千葉興業銀行/中国銀行

    機関投資家一覧(グローバル)

    Aberdeen Asset Management  

    ACTIAM (Formerly SNS AM)  

    Adlerbert Research Foundation  

    Aegon Asset Management  

    AMP Capital  AP2, AP3, and AP4 – Swedish National Pension Funds  

    Australia Local Government Super  

    Australian Ethical Investment Ltd  

    Barclays Treasury BlackRock  

    Breckinridge Capital Advisors  

    Caisse Centrale de Reassurance  

    California State Treasurer’s Office  

    CalSTRS  

    Calvert Investments  

    Central Bank of Morocco  

    Church of Sweden  

    Colonial First State Global AM  

    Deutsche Asset & Wealth Management  

    Everence Financial  

    FMO (Netherlands Dev. Fin.)  

    Folksam  

    Ikea Group  

    LF Liv  

    Maryland State Treasurer

    Mirova

     

    MISTRA

    Natixis Asset Management

    New York Common Retirement Fund

    Nikko Asset Management

    Nippon Life Insurance

    Pax World Balanced Fund

    Pictet

    PIMCO

    QBE Insurance Group Ltd

    Rathbone Greenbank

    Sarasin

    SEB Ethos rantefund / SEB Fonden / SEB TryggLiv

    Skandia Liv

    Sonen

    Standish Mellon Asset Management

    State of Illinois

    State Street Global Advisors

    The Nobel Foundation

    TIAA-CREF

    Trillium Asset Management

    UN Joint Staff Pension Fund

    UniSuper

    WWF-Sweden

    ZKB (Zürcher Kantonalbank)

    Zurich Insurance

    Zwitserleven





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